こんにちは。堺市北区の歯医者、もり歯科医院です。
今回は歯並びやかみ合わせに関係してくる「クセ」についてまとめてみました。
歯は唇や頬、舌などからの圧力のつり合いのとれた部位に並ぶと言われています。
そのため、歯のスペースに問題がなく唇や頬、舌からの圧力バランスが問題なければ歯は理想的に並ぶはずです。
しかしながら、変なクセ(これを口腔習癖と言います)があれば力のバランスが崩れ歯並びやかみ合わせが悪くなってしまいます。
そこで口腔習癖についてまとめてみました。
① 口腔習癖とは?
歯並びに悪影響を及ぼす口腔周囲の無意識の動作・口腔機能の異常・習癖のことをいいます。
口腔機能は、発音、嚥下(飲み込み)、呼吸、咀嚼(噛み砕くこと)など、健康な身体を維持するために必須のものです。
② 口腔習癖の種類
1.開咬(前歯が噛み合わない状態)を引き起こす可能性のある口腔習癖
a指しゃぶり
b舌癖
・異常嚥下癖…唾液の嚥下時に舌を突出すること
・舌突出癖…上下の歯の空いているスペースに歯を突っ込むこと
・弄舌癖…気になる歯の隙間や歯を舌で触ったり舌を動かして遊んでしまうこと
c構音障害…サ行・タ行・ナ行・ラ行などの発音時に舌足らずに舌を挟んでしゃべること
d口呼吸…鼻呼吸をせず口を開けて口で呼吸すること
e口唇閉鎖不全…日常的に唇が開いている状態
f咬唇癖…唇を噛むこと
などがあげられます。
開咬になってしまうと前歯が当たらず、離開するため奥歯に負担がかかり、さらに歯ぎしりなどを供発すると将来的に歯周病などの悪化を招き歯が割れるリスクも高まります。
2.過蓋咬合(噛み合わせた時に上の歯が下の歯に多い被さっていて見えない状態)を引き起おす可能性のある口腔習癖
○クレンチング…歯を強く食いしばること
○頻杖
○咬唇癖
○口呼吸
があげられます。
過蓋咬合になると、強い咬合力で臼歯部に過負担がかかります。さらに前歯が前へ大きく出てしまうと、前歯が噛み合わない為、奥歯に負担からさらに悪化する可能性があります。
3.顔の中心のずれを引き起こす可能性のある口腔習癖
○偏咀嚼…左右どちらか一方で噛むこと
○態癖…片側からの頰杖、寝方など
があげられます。
片側への負担が顎関節に影響を及ぼすと顎関節症などを引起こします。
③ 口腔習癖の始まる時期
1歳の段階でも噛む力が強かったり、乳児の頃の寝方の向き癖により偏咀嚼が促されたり、乳歯が生えてきて片顎の早期接触により顎が歪んだりなど、 乳児でもすでに様々な口腔習癖が始まります。
④ 口腔習癖をそのままにしておくと?
口腔習癖は歯並びに影響を与え、上記のように問題がありますが、成人の歯の失うの経過をみていくと、経過が悪い人のほとんどになんらかの口腔習癖が関与している事が分かりました。
・補綴処置(被せ物の治療)後10年間に3本以上の歯を喪失した人の割合は90%以上の人は喪失した歯が2本以下(平均本数は0.91本(約1本))で、「ほとんどの人はあまり歯を失わない」といえます。
・補綴処置後10年間に8本以上の歯を喪失した人の割合は8本以上の歯を喪失したのは約1%で「大量に歯を失う人はきわめて特殊」といえます
そして大量に歯を失う原因には、なんらかの口腔習癖が大きく関わっています。
しかし、成人(特に高齢者)に対する口腔習癖をコントロールすることは、習癖の期間が長いことや、年齢的に生体の適応能力が低くなることなどからなかなか難しくなります 。
⑤ 小児のうちに口腔習癖の改善を目指しましょう!
口腔習癖は子ども自身が話を理解することが大切で、 年齢におって本人の意志で習癖を変えられるようにしていくのは難しく意識できるようになるのは個々の性格にもよります。多くの場合は小学校低学年でようやく取り組む糸口がみえてきます。焦らず、根気よく、お話することが必要です。
⑥ 最後に
口腔習癖は成人と比べて子どもの方が改善しやすく、特に原因がはっきりしている場合や、後天的な要素が強く習癖の期間が短い場合ほど治しやすいので、小児期のうちに、口腔習癖を取り除き、生涯にわたって子どものお口の中を守れるようにしましょう!
何かご不明点、お困りのことがあれば堺市北区の歯医者、もり歯科医院072-251-3010までご相談ください。
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