こんにちは。堺市北区の歯医者、もり歯科医院です。

2つ前のブログで「オーラルフレイル(口腔機能の低下)」についてお話しましたがこのオーラルフレイルを引き起こす原因の1つとして舌の力(舌圧)が低下している可能性があります。

オーラルフレイルについてはこちら

最近食事をした時によくむせたり、のどがつかえるように感じることはないですか?

そう感じることが増えてきたならば、それはもしかしたら舌の力(舌圧)が弱ってきているのかもしれません。

舌の力とは舌が上あごに接触する力で表され、加齢とともに低下します。舌の力は食べ物をごっくんと飲み込む摂食嚥下機能や話すときの発音や滑舌と深く関係しているのです。

舌は筋肉のかたまりなので、足腰の筋肉同様使わなくなると徐々に筋力は衰えてしまいます。

舌の力が低下すると

◦食べ物が飲み込みにくくなり、食事に時間がかかる

◦滑舌が悪くなり、発音がしにくくなる

◦食べ物を飲み込んだ後に口の中にまだ食べ物が残ったままになる

◦食事中によくむせる、またはむせやすい食べ物を避けている

◦誤嚥性肺炎につながる

など様々のことが起こります。

 

では自分の舌の力は強いのか弱いのか。それは中々見た目で判断するのは難しいかもしれません。その力を数値化して目安の数値より低いのか高いかで自分の舌圧が今どのくらいあるのかを判断することが出来ます舌圧測定器

もり歯科で使用している舌圧計

舌圧測定器は専用の舌圧プローブをくわえて、先にあるバルーンを舌で上あごに押しつぶし続けることで最大舌圧の数値か測れ、何回か繰り返し平均を取ります。舌圧の単位は㎪(キロパスカル)で表し

最大舌圧の目安は

成人男性(20~59歳) 35㎪~

成人女性(20~59歳) 30㎪~

60歳代 (60~69歳) 30㎪は欲しい

70歳以上高齢者    20㎪は必要

 

20㎪未満は誤嚥のリスクが高くなります!!

前半で述べましたが、舌は筋肉のかたまりなので、舌圧が目安の数値より低い場合でも鍛えることが出来ます。

 

<舌のトレーニング>

◦舌トレーニング

  • 舌で下あごの先を触るつもりで伸ばす。
  • 舌で鼻のあたまを触るつもりで伸ばす。
  • 舌を左右に伸ばす。
  • お口の周りをぐるりと舌を動かす。
  • スプーンなどを使って舌を当てて押し、その力に抵抗するように舌を上げる(右から・左から・前からと同様に行います)。

◦舌の体操

  • 舌を左ほほの内側に強く押し付ける。
  • 自分の指で口の中の舌の先を、ほほの上から押さえる。
  • それの抵抗するように、舌のほほの内側にゆっくり10回押し付ける。
  • 右のほほも同じことを繰り返す。

この他に2つ前の「オーラルフレイル予防」の記事に書いた

◦パタカラ体操

◦唇を中心とした口の体操(口をすぼめる→「イ~」と横に開く)

◦あいうべ体操

 

などのトレーニングがあり、このトレーニングを日々の生活の中に取り入れることにより舌を鍛えることが出来ます。

 

 

加齢に伴い舌の力が低下すると「オーラルフレイル(口腔機能に低下)」が始まり、そこから徐々に「フレイル(心身が衰え、健康と要介護の間の虚弱な状態)」へ繋がってしまうかもしれません。そうならないためにも日々、舌のトレーニングを頑張り、定期的な歯科検診を受診しましょう。

何かご不明点、お困りのことがあれば堺市北区の歯医者、もり歯科医院072-251-3010までご相談ください。

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